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黒崎久志中国超級・青島西海岸 前監督

1968年5月8日生まれ。栃木・鹿沼市出身。宇都宮学園高から87年にJSL1部の本田技研入り。92年に移籍した鹿島でジーコの薫陶を受けながら活躍。京都、神戸、新潟、大宮でもプレーして2003年に現役引退。新潟で監督、大宮と鹿島でコーチを歴任。21年2月から中国超級(1部)の山東泰山、武漢三鎮のコーチを経て24年に超級・青島西海岸の監督に就任。日本代表24試合・4得点。

中国のサッカーバブルは完全崩壊 “金満国家”サウジ主導の選手爆買いには太刀打ちできず

公開日: 更新日:

たった数年で立場が激変

 代わって西アジアの金満国家が台頭してきました。サウジアラビアです。

 クリスティアーノ・ロナウドとベンゼマの年俸は約320億円! ネイマールは約250億円! カンテは約110億円! と言われています。

 12年当時はアネルカが約11億円、ドログバが約12億円でした。中国サッカーバブルが始まった頃と比べても桁違いの金額です。

 果たして中国は、サウジアラビアを抜いて再び世界のサッカーバブルを牽引することができるか。どう考えても無理だと思われます。

 中国のサッカーバブルを支えた資金は、主に不動産関係の好況をベースにしたものでした。

 ここから再び不動産景気がやってくるかというと……難しいと思います。

 サウジアラビアの場合は、潤沢なオイルマネーをバックにした政府が100パーセント出資している「パブリック・インベストメン・ファンド」が各クラブを支えており、事実上の国家政策によるサッカー選手の爆買いが行われているのです。

 これでは他国のクラブは太刀打ちできません。

 中国でもサウジアラビアの影響は出ています。 身近なところで言えば武漢三鎮も、ルーマニア代表のスタンチュが9月にサウジアラビアへと移籍しました。

 昔は中国が各国代表級選手を高年俸で引き抜いていたのに今は引き抜かれる立場なのです。

 たった数年で立場が激変してしまう――。

 世界のサッカーマーケットの恐ろしさを実感しています。(つづく)

(取材・構成=森雅史/サッカージャーナリスト)

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