著者のコラム一覧
津田俊樹スポーツライター

産経新聞記者として1992年アルベールビル冬季、同年バルセロナ夏季五輪を取材。運動部長、論説委員を経て、現在フリー。2019年に東京五輪開催をめぐる問題点を指摘する「ブレないスポーツ報道」(言視舎)を出版。

東京五輪汚職裁判傍聴記(下)毀誉褒貶相半ばする元大会運営局次長・森泰夫被告の正体

公開日: 更新日:

 五輪談合事件で懲役2年、執行猶予4年の判決が下された、東京五輪パラリンピック組織委員会大会運営局元次長、森泰夫被告(56)は謎の人物である。

 12日の公判は足取りはしっかりしていたものの伏し目がちで、裁判長からの問いかけに答える声は小さく、言葉少なだった。判決を受ける身だから当然といえば当然である。

 法廷で胸を張り、検察官どころか傍聴席に向かっても睨みをきかせるのは、受託収賄罪を全面否認した、高橋治之被告(79)くらいだろう。

 森被告は表裏がないように見えるが、謎めいているのはなぜなのか。周囲の評価があまりにも分かれているからである。

「東京五輪に欠かせない人」「有能でウソを言わないから信用できる」とマスコミに重用され、日本記者クラブで五輪開催前後に2回講演している。2019年11月、読売新聞五輪準備室長が記者クラブのホームページに以下のような感想を寄稿している。

「東京五輪・パラリンピックの前年となった今年、国内各地で本番に備えて多くの競技のテスト大会が行われた。会見の時点で、予定されている56のテストイベントのうち、既に33は終了。その各大会の現場に『必ずこの人あり』と言われるのが、東京組織委の森大会運営局次長だ」(抜粋)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋