著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

ダルに対する米メディアの評価は「日米通算200勝」より「37歳以上で25イニング連続無失点」

公開日: 更新日:

 パドレスのダルビッシュ有が日米通算200勝を達成したと、日本のメディアが大々的に報じている。米国の主要スポーツメディアでも、NPB、MLBで合わせて200勝したことを報じてはいるが2番手扱いで、どのメディアも「4試合連続無失点」の方に大きな比重を置いている。

 米最大のスポーツ専門局ESPNは「パドレスのダルビッシュ。スコアレスイニングを25に伸ばし、200勝目もゲット」との見出しでブレーブス戦の好投を報じた。日米通算200勝の方は、それを達成したのは野茂英雄黒田博樹に次いで3人目であること、ダルビッシュ本人のコメント、パドレスのシルト監督の型通りの賛辞を交えて手短に掲載しているだけ。25イニング連続無失点の方は「年齢が37歳以上の投手で25イニング連続無失点をやってのけたケースは2015年のバートロ・コローン以来の快挙」「パドレスでは1980年にランディ・ジョーンズが達成して以来の記録」と過去の偉大な投手名を出して、この記録の価値の大きさを示そうとしている。

 日本人選手の日米通算記録が、日本で熱狂的に報じられたのは16年にイチローが日米通算でピート・ローズの世界記録(4256本)を追い抜いた時だ。この時、米メディアの中にはピート・ローズの「(日本のメディアは)俺をヒットのキングからクイーンにしようとしている。次は高校での安打数も加えるんじゃねえか」というコメントを掲載して日米通算記録の意味のなさを皮肉っぽく報じるところもあったが、今回はそんな記事は一つも見られなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    侍Jと大谷翔平がWBCで直面するMLBからの嫌がらせ…過去何度も味わった手段選ばぬヤリ口に要警戒

  5. 10

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲