著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

スポーツ報知の「記事ドロボー事件」に思うこと…スポーツ報道に蔓延る「疑似盗用」もしかり

公開日: 更新日:

 今回の盗用は生え抜きの記者ではなかったそうだ。重い処分は当然として、疑問も残る。今回の盗用対象はフィクションではなくノンフィクションだ。たとえば、水原一平を巡る一連の記事はほぼすべて米国の報道をなぞった、いわゆるコタツ記事。引用元さえ明確にすればいいとばかり、取材経験もないネット世代の脱力が報道現場を混乱させ、現場に行っても取材しない“出前コタツ”もはびこっている。

 欧米のスポーツ紙はイタリアのガゼッタ、フランスのレキップくらいだ。日本には全国スポーツ紙だけで6紙あり、独自の“文化”とすら言える。日本のスポーツが新聞社と軌を一に発展してきたレガシー、もしくは恥部──ニューヨーク・タイムズは昨年、スポーツ局を廃して結果報道は外部に任せ、時事ネタは社会部でフォローしている。文章の盗用ほど情けない話はない。日本のスポーツ報道も、ネットに引きずられてズルズル“疑似盗用”を続けていても仕方ないと思うのだが……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る