巨人阿部監督が就任1年目V目前だから…「2人だけの秘密」明かします【巨人元バッテリーコーチ秦真司氏が証言】

公開日: 更新日:

アイコンタクトされるとベンチからこっそり配球のサイン出していた

 就任1年目のリーグ優勝はもう目前だ。

 2月のキャンプを訪れた際に、慎之助、いや阿部監督に話を聞いた。

「キーマン」に指名した抑えの大勢が、宮崎キャンプ中に右ふくらはぎを痛めて戦線離脱。阿部監督によると、箇所が箇所なので慎重にやらせているものの、「開幕には間に合うでしょう」と代役は考えていないという。

 一方で「もし開幕に間に合わなくても絶対に無理はさせたくない」とも。普通、新監督は開幕から白星が欲しいもの。でも阿部監督は「勝負は9月ですから」とキッパリ。腹が据わっているなと感じた。

 昨年はリリーフ陣の防御率が12球団ワーストの3.81。そのため、オフにはソフトバンクから泉、阪神からケラーら、他球団のセットアッパー候補を複数補強。救援陣の層を厚くした。「リリーフ陣の3連投をやめようと思っています」とルールも決めた。それでも大勢は特別な存在。右肩痛で5月上旬から2カ月間離脱したが、6月下旬の復帰後は、絶対的な抑えとして抜群の安定感を発揮した。昨年までは9月に投手陣がガス欠を起こすことが多かったが、阿部監督の先を見据えた構想が的中した。

 私が巨人の一軍バッテリーコーチに就任したのは2011年オフのこと。「外様」の私がまず行ったのは、阪神戦のデータを洗い出すことだった。気になるところがあったからで、中軸のブラゼルに打率.397、3本塁打、16打点と打たれまくっていた。詳しくみると、空振りやファウルの次の球で違う球種を打たれていたことが判明。同僚の新井貴浩(現広島監督)にも同じ傾向が出ていた。

 すでにプロ11年、押しも押されぬ捕手になっていた慎之助のリードが原因だった。打者に反応されると次は必ず球種を変えていた。例えば変化球の後は高い確率で直球。阪神勢は恐らくこの傾向を共有していた。慎之助に指摘すると、「全然気がつきませんでした」と驚いていた。

 私は「バッターに反応されても同じ球種を続けてみよう」と言った。12年は天敵ブラゼルを打率.098に抑えられた。

 信頼関係が築けると、悩みを打ち明けてくれるようになった。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層