著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大リーグに激震!トランプ政権の追加関税政策は球団経営に影響必至「悪夢に他ならない」事態

公開日: 更新日:

 大リーグの選手たちにとって、バット1本あたりの価格が変わったとしても大きな影響はないかもしれない。しかし、子どものために野球用具を買い揃える親にしてみれば、関税分が上乗せされた新たな価格のバットを購入することは、余分な出費となる。

 消費者にとって価格の高騰は、入場券やユニホームや帽子などの関連商品の購入、各種の定額料金サービスに使える可処分所得の減少につながる。

 手持ちの資金に限りがある以上、支払先は厳しく選び抜かれる。音楽や映像を定額料金で利用しない生活は考えにくい現在にあって、値上がりし続ける入場券の優先度はおのずと低くなる。

 各球団にとって収入の根幹は入場料だけに、その減少は経営に影響を与える。何より、米国による追加関税への報復として新たな関税を課す国が出ており、輸出企業にとっては打撃となる。業績の悪化を理由に協賛企業から撤退したり、支援の方法を変更したりすれば、各球団の営業部門は来季に向けて新たな課題を背負うことになる。

 今回の追加関税について、大統領令に明記されていない点が先行きの不透明感を増幅させている。自国の政権の政策が球界に悪影響を与えかねないなど、関係者にとっては悪夢に他ならないのである。

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