今秋ドラ1候補 早大エース伊藤樹の伸びしろどれだけ? 仙台育英時代には「今がピーク」の評判
令和初の快挙である。
早大のエース・伊藤樹(4年=仙台育英・右投げ右打ち)が19日の明大戦でノーヒットノーランを達成。東京六大学リーグでは2016年の慶応・加藤(現・矢崎)拓也(現・ヤクルト)が東大戦で記録して以来。11奪三振の快投で明大の胴上げを阻止した。
今秋ドラフト候補の伊藤は、最速151キロの直球に加え、スライダー、カットボール、カーブ、スプリット、チェンジアップ、ツーシームと多彩な変化球を操る。仙台育英時代の1年、3年時に甲子園に出場、早大では2年秋から主戦を担うエリートだ。スポーツライターの安倍昌彦氏が言う。
「平時は平均140キロ台前半の速球が、ピンチには140キロ台後半まで上がる。球速が上がっても制球の精度を維持でき、変化球はどの球種もいい。登板ごとに使える球種を2~3つ選んで投げ分ける。プロでもやれる資質は高いでしょう」
そんな右腕を巡っては、プロの間で伸びしろを心配する向きもあるが、某パ球団スカウトは言う。
「とんでもない速球や変化球を投げるわけではない。投手としては完成されている。上背も177センチと小柄の部類に入る。早大の先輩である斎藤佑樹(176センチ、77キロ)に似ているかもしれません。ただ、持っているエンジンは伊藤の方が大きいでしょう。実際、伊藤の145キロは、斎藤のそれと比べて余力がある。まして斎藤は大学時代に股関節を故障するなど、プロ入り前から不安を抱えていましたからね」