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小林至桜美林大学教授

1968年、神奈川県出身。91年ドラフト8位で東大からロッテに入団。93年に引退し、94年から7年間米国在住。コロンビア大でMBAを取得し、江戸川大教授を務めながら、2005~14年にソフトバンクホークスの取締役を兼任。現在は、一般社団法人大学スポーツ協会理事、一般社団法人スポーツマネジメント通訳協会会長。YouTubeチャンネル「小林至のマネーボール」も好評配信中。

MLBは30年で10倍超の市場拡大を実現…なぜ日米球界でこうも“経済格差”があるのか

公開日: 更新日:

 かつてはここまで差はありませんでした。30年前の1995年、MLBの売り上げは1400億円、NPBは推定900億円。当時、MLBは28球団で、1球団あたりの平均は約50億円。NPBの平均(75億円)を下回っていました。もっとも、NPBは巨人の一極集中で、パの球団の中には年間売り上げが10億円台という時代でもありました。

 ではMLBがなぜ、30年で10倍超の市場拡大を実現できたのでしょうか。その最大の原動力は、放送権収入の急増です。そして、その背景には米国のメディア産業が極めて競争的な市場環境に置かれているという事情があります。日本のテレビ業界は、私が生まれる前から、NHKと民放5局という寡占的な構造が維持されてきました。その間、米国では、地上波にFOXが参入し、1979年に開設したESPNは日本の民放キー局の8倍以上の売り上げを誇るまでに成長しました。このように新規参入が相次ぐ中、コンテンツ獲得競争が激化し、「テレビはお金を払って見るもの」というエコシステムも定着した。地上波とケーブルテレビの区別もほとんどなくなり、良質なコンテンツの獲得競争が日常化しています。

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