阿部巨人がミスタープロ野球から課された「宿題」…長嶋茂雄さんが今季リーグ優勝&日本一以上に望むこと
「リーグ優勝、日本一が絶対条件」という異様なシーズンに
6日は東京ドーム以外の5球場でも試合前に黙とうがささげられ、甲子園では「長嶋さんの生きざまは野球を愛する全ての人々にとって永遠の憧れであり、誇りです」というアナウンスが流された。広島の地元テレビでは往年のエース・安仁屋宗八氏が「僕はもうカープ一筋ですけど、長嶋さんが亡くなったいうことになれば今年はジャイアンツが日本一になってもいい。阿部監督にも頑張ってもらってね。長嶋さんの亡くなられた年に優勝いうのもね、いいんじゃないかなという、そのぐらいの気持ちですね」とまで言っていた。8月16日の東京ドームでの阪神戦が追悼試合として開催されることも決まった。
8日、楽天に連勝した阿部巨人にとって、「リーグ優勝、日本一が絶対条件」という異様なシーズンになるのは間違いないだろう。
「今季の優勝、日本一はともかく、巨人の勝敗以上にミスターが常に気にかけていたのが、プロ野球の人気、巨人の人気だった。昨年、闘病中だったミスターが4番の岡本を病室に呼んで、スイングをチェックしたと聞いた。病床にありながら生え抜きの主砲に目をかけたのは、巨人の4番は球界の4番だという思いが強いからでしょう。坂本勇人が衰え、岡本もいずれメジャーに流出する可能性がある。彼らに代わる、生え抜きの中心、スター選手を育成する使命が阿部監督、巨人にはある。それが、ミスターが最も望んでいることではないか。補強によるチームづくりは第2次長嶋政権が先鞭をつけたことではあるが、一方で“1000日計画”で松井を日本の4番に育て上げた。生え抜きの中心選手をひとりでも多く育てることが、結果的に巨人の継続的な強さにつながる。補強は補強でしかない。寄せ集めでは、単発的に勝つことはできても、3連覇、5連覇という黄金時代にはなりにくい。常勝につながる生え抜きスターの育成こそ、巨人に与えられたミスターの宿題でしょう」(高橋善正氏)
阿部監督はもちろん、いずれ巨人の指揮を執るであろう松井監督も心に刻む必要がある。