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小林至桜美林大学教授

1968年、神奈川県出身。91年ドラフト8位で東大からロッテに入団。93年に引退し、94年から7年間米国在住。コロンビア大でMBAを取得し、江戸川大教授を務めながら、2005~14年にソフトバンクホークスの取締役を兼任。現在は、一般社団法人大学スポーツ協会理事、一般社団法人スポーツマネジメント通訳協会会長。YouTubeチャンネル「小林至のマネーボール」も好評配信中。

MLBはなぜNPBの9倍稼げるのか…放送権だけじゃない公設民営“球場改革”のビジネスモデル

公開日: 更新日:

【Q】2024年シーズン、MLBの売り上げは約1兆8800億円。一方、NPBは推計2000億円と、9倍以上の差がある。前回の講座では放送権収入に格差があることがわかった。それ以外の要因はなんですか?

【A】経済力そのものの違いも無視できません。日本は「失われた30年」と言われるように、バブル崩壊以降、経済成長が長く停滞してきました。

 一方、米国はこの30年でGDPは約3倍に膨らみ、人口も私が最初に渡米した1994年には約2億6000万人だったのが、今や3億5000万人。不法移民を入れると3億7000万人にも達する。この圧倒的な経済規模と市場の厚みが、そのまま野球興行のスケールの違いにつながっています。

 前回も述べた通り、MLBの総収入のうち約35%は放送権料。そして、もうひとつの柱であるチケット収入も同じくらいで約6580億円にのぼります。

 NPBではチケット収入は総収入の約半分、推定1000億円程度。

 チケット収入の差を生んだ大きな要因がMLBの「球場改革」です。

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