セ・リーグ「DH制導入」今度こそ加速か…交流戦最大借金でパ・リーグに惨敗の衝撃
旗振り役巨人への強い不信感
「セでDH制導入の議論が湧き起こった直近の例は、19年に当時の巨人・原辰徳監督が提案したものだと記憶している。以降、理事会などで議題には上がるものの、セ5球団の理解を得られず、議論が進展していない。今年1月に榊原コミッショナーが『セ・パでルールが違うというのはノーマルな状態ではないと思う。見る立場からすると打撃活発な試合の方が面白い』と言及したものの、事態は動いていないのが現状です。投手が打席に立って9人でやるのが野球本来の姿だという意見、投手への代打起用を含めた駆け引きがセの野球の醍醐味だという意見も理解はしますが、22年にはメジャーのナ・リーグもDH制を採用している。ファンあってのプロ野球ですから、そのファンがなにを望むかでしょう。より攻撃性を求めるなら、DH制に反対する理由はないというのが私の考えです」
さる球界関係者によれば、「巨人以外のセ5球団がDH制に消極的なのは、ひとつにはカネの問題がある。DH制を採用すれば、レギュラーが1人増えることになり、その分、人件費が増えることを懸念している。もうひとつは、導入の旗振り役が巨人ということでしょう。資金力も戦力もある球団の独り勝ちになるだけ、巨人の我田引水という不信感です。原監督が提議した19年、20年は巨人が日本シリーズでソフトバンクに0勝4敗と一方的に打ちのめされた年だけに、余計に理解が得られなかったというのはあります」という。
22日、12球団最多となる9度目の交流戦Vを果たしたソフトバンクの小久保裕紀監督は、「リーグ戦に戻りますが、我々はパ・リーグでは3位と4位を行ったり来たりしているので」と笑顔が少なかった。見下されるセ・リーグでDH制導入が加速するかもしれない。