近鉄・栗橋茂さんはスナック経営「球団に内緒で現役時代から。立派なことに36年目」

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後輩・金村義明の“イジリ”で注目の的。関東や九州、カナダからもお客さんが

 1人で切り盛りするスナック経営は、この36年間、決して楽ではなかった。近鉄時代の仲間や知人、ファンらが足を運んでくれるものの、スナックという形態がすたれ始めた時代だ。起爆剤となったのは10年ほど前。かわいがった後輩・金村義明さん(61)のイジリだった。

 繁華街のクラブから日常茶飯事の朝帰り。高知・宿毛キャンプ中に地元漁師と飲み屋でけんか。ホステスへの惜しげもない貢ぎ物……。出演するテレビやラジオ番組で、栗橋さんの酒にまつわる伝説をこれでもかと暴露したのだ。

「おかげで客が増えたよ。『金村さんの昔をイジった話、あれ本当ですか』と店に聞きに来るんだ。関東や九州、カナダから来た客もおったわ。向こうまでラジオが届いてるんやろね。まあ、金村とはボクの伝説をネタに2人でトークショーもしたから、あいつの話はウソではないよ」

 今年の3月下旬。往年の大投手だった米田哲也さん(87)が缶酎ハイ2本、303円分を盗んだとして現行犯逮捕された。球界に衝撃が走る中、プロ野球選手の厳しいセカンドキャリアも注目された。米田さんも引退後に兵庫県西宮市内でスナックを経営したものの、失敗。栗橋さんはルーキー時代に阪急の米田さんと対戦し、近鉄でも1年間同じ釜の飯を食う接点があった。

「1・2・3で打ちにいったら米田さんのエグいスライダーが食い込んで、どん詰まりの内野フライだったわ。右投手の350勝はある意味、金田正一さんの400勝より価値があるかもしれん。そんな人がなあ。思うところはあるけど、周りのもんがあれこれ言うことやないよ。そう思うな」

 取材中に近鉄時代の盟友・梨田昌孝さん(71)がやってきた。「こんばんは」「おう。ゆっくりしてってや」。いくつになっても熱い野球人だ。テレビに映る阪神戦の評論や魚雷バットの特性など、いつまでも野球談議に大輪の花が咲いた。

♪離さない もう離さない すがりつくあの娘の……。石原裕次郎の「泣かせるぜ」。カラオケマイクを握る栗橋さんの十八番ソングが響く中、藤井寺の夜はふけていった。

(取材・文=長浜喜一)

▽栗橋茂(くりはし・しげる) 1951年8月生まれ。東京・板橋区出身。帝京商工-駒大から1973年のドラフトで近鉄に1位入団。ベストナイン3回。独身。

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