松井秀喜はグラウンドの外では「大の下ネタ好き」に豹変、そのギャップに驚かされた
松井が周囲の期待通りの大打者に成長してからも、巨人には毎年、FAなどで大物選手が入ってくる。当然、松井より年上の選手ばかりだ。そういう巨人の環境もあるいは、松井にボクが知っている本来の素顔を見せることをためらわせているのかもしれない。
松井はチームの人間よりマスコミの人間と仲がいい。プロ野球選手の中にはマスコミを毛嫌いする人もいるが、松井はむしろ逆だ。ボクもそうだったが、グラウンドを離れると野球のことを考えたくないという気持ちになることが多かった。野球選手と食事に行けば、必ず最後は野球の話になる。ボクとは比べ物にならないプレッシャーの中で戦っている松井が異業種の人間と親しくする気持ちは分からなくはない。
マスコミの人間と親しくしているおかげで、松井が悪く書かれているという記憶がない。テレビのインタビューと新聞へのコメントも絶妙に使い分けている。より多くの子供が見るテレビではまじめなことしか言わないくせに、新聞記者にはシモネタを連発し、バカな話もしている。
その松井は来季中にFA権を取得する。今からメジャーリーグへの挑戦がウワサされている。松井がどう考えているのかは知らない。責任感が強い男だけに、恐らく相当迷っているはずだ。松井はだれからも好かれるスーパースターになれる器。できることなら日本に残って球界を盛り上げてくれと思っているのはボクだけじゃないだろう。