新人時代の金本知憲ただひとりだけ、私の課した「1日1000スイング」を忠実に守っていた

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 悔しさをバネにした。自分の体力的な弱点を克服するため、シーズン中もオフも、広島市内にあるジム「アスリート」に通い、ウエートトレーニングに力を入れた。筋力を蓄えることで、車でいうエンジンの排気量が上がっていった。パワーがつき、打球に力強さが加わった。金本のトレーニング法が後輩の新井貴浩鈴木誠也らに引き継がれ、カープの伝統になった。先駆者として金本が残した功績といえる。

 94年に三村敏之監督(享年61)が就任すると、レギュラーに定着した。金本の体の強さや試合を休まない根性を買っていた。三村監督には「ケース・バイ・ケース」というカープのチームに貢献するための打撃を叩き込まれた。阪神FA移籍し、星野仙一監督に「阪神の4番なんだから自由に打て」と言われても、根底には「チーム打撃」という考えが染みついているように見えた。金本は三村監督がつくり上げたといっても過言ではない。

 その金本と師弟関係だったのが新井である。

▽うちだ・じゅんぞう 1947年9月10日、静岡県生まれ。東海大一高から駒大。13年間の現役生活はヤクルト日本ハム、広島で主に外野手としてプレー。計950試合出場で打率・252、25本塁打。82年に現役引退、翌83年に指導者に転身。広島、巨人で打撃コーチ、二軍監督などを歴任し、多くのタイトルホルダーを育てた。2019年限りで巡回打撃コーチだった巨人を退団。

  ◇  ◇  ◇

 当記事ページ下部の関連記事からは、内田順三氏による「巨人広島名伯楽の作る育てる生かす」(第19回=2020年)の続きを読むことができる。プロ野球ファンは要チェックだ。

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