イチローがアジア人初の米野球殿堂入り 人口たった2000人の町がソロバン弾く「ジャパンマネー」
「リアル二刀流」大谷目当てに日本人ファン殺到も
スポーツビジネスの専門メディア「スポルティコ」によれば、施設収入は18年の約25億3000万円から23年には19億円と大幅な減収を強いられたという。
今後はイチローの高校(愛工大名電)時代からのユニホームや現役時代に使用していたバット、グラブなど展示された用具などを目当てにファンが押し寄せる可能性はある。さらに、同博物館には昨季、ドジャース・大谷翔平(31)が23年WBCで着用していた帽子や、史上初の「50-50」(54本塁打、59盗塁)を達成した昨年9月19日のマーリンズ戦で使用したバット、スパイクなども展示されている。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「今後はイチローの実績を振り返ったり、大谷が実際に使用した用具を見たい日本のファンがクーパーズタウンに殺到するのではないか。ニューヨーク州の外れにあり、アクセスは決して良くはないものの、ニューヨークやボストンを訪れたついでに足を延ばすファンは少なくないと思う。イチロー、大谷とも広く米国で受け入れられているだけに、米国の野球ファンも訪れるでしょう。米国で本格的な野球の博物館といえば、クーパーズタウン以外には、1940年代まで存在したニグロ(黒人)リーグの博物館(ミズーリ州)しかないことも追い風になるのではないか」
イチローの全盛期だった01年から10年はマリナーズが弱小球団だったこともあり、数々の記録達成は直接の集客にはつながらなかった。殿堂入りを果たした今後は敵地の観客動員増にも貢献している大谷とともに、クーパーズタウンの集客の目玉になるかもしれない。
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日刊ゲンダイでは現在、中日や楽天で活躍した山崎武司氏による「これが俺の生きる道」を連載中だ。そこでは自身の野球人生を赤裸々に振り返るとともに、昨今のプロ野球界に対する“遠慮なき本音”が綴られている。「立浪和義氏へのコンプレックス」や「中日への忖度なき思い」とは、いったいどんなものなのか。
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