時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした
「申し訳ないけど、1位は投手の阿波野(秀幸=亜大)で行く。でも、外れ1位か、2位で必ず指名する。ほかの球団とは接触しないでほしい」
巨人のスカウトからここまで言われたら、もうジャイアンツのことしか頭にないよ。
迎えた11月20日のドラフト会議。巨人は1巡目で阿波野さんを指名、近鉄、大洋の3球団のくじ引きとなった。
「外せ、外せ、外せ……」
テレビ画面越しに念を送った甲斐もあってか、近鉄が交渉権を獲得。「よっしゃー! 巨人に決まったー!」と心の中でガッツポーズである。
しかし、巨人が外れ1位指名したのは、俺ではなく投手の木田優夫(日大明誠)だった。
「外れ1位か2位で」と言っていたし、2位なのかな……。
心の中でつぶやきながら、巨人の順番を待った。が、2位で指名したのは投手の水沢薫さん(河合楽器)。またしても俺ではなかった。直後に中日から単独2位指名を受け、ショックで頭が真っ白になった。