【独占直撃】県岐阜商・鍛治舎前監督が明かす快進撃の根拠 優勝大本命の横浜破り16年ぶり4強入り
軟球で低反発バット対策、平日に1日1200スイング
「選手集めに関しても、県外枠は3学年で10人ですが、来るもの拒まず、去るもの追わずという感じで、卒業後に大学、社会人で野球を続ける選手が少なかった。就任1年目は県内外の中学の軟式、硬式のチームに挨拶回りをして、ひたすら頭を下げました。私が本気でチームを強くすると分かっていただいたこともあってか、23年末には、大学野球をやっているOBが4学年で70人も集まってくれた。ようやくOB戦ができるようになりました。青山学院大から昨秋ドラフト1位で広島に入団した佐々木泰もその一人です。今、甲子園で戦っている選手たちも私が声をかけた選手ばかり。毎試合、選手や藤井監督、上畑部長たちからメールが送られてきます」(鍛治舎前監督)
鍛治舎前監督が強化したひとつが打撃だ。今夏の岐阜大会では6試合で8本塁打と破壊力は抜群。この日の横浜戦でも、先発した織田、3番手で登板した奥村頼といったプロ注目投手から計8得点を挙げた。
■軟球で低反発バット対策
鍛治舎前監督が続ける。
「昨年のセンバツから導入された新基準の低反発バットに対処するべく、『外野の頭を越すライナーを打とう』というテーマを掲げ、昨年1~2月の1カ月間ほど、軟式野球部から軟球を600球借り、80~90キロの遅いボールを打ち返す練習を繰り返しました。低反発バットはスイートスポットが狭く、ゴロやポップフライになりやすい。外野の頭を越えるライナーを打つべく、芯でしっかり捉えることを目指しました。この日の横浜戦では、2ストライクに追い込まれてからノーステップで打つなど、各打者が自ら考え、工夫をしながら打席に臨んでいることも強さの秘訣だと思います」
さるセ球団のスカウトが言う。
「鍛治舎監督時代の県岐阜商は、平日に1日1200スイングをこなすこともあったと聞きました。全国の高校の中でも屈指の練習量といっていい。練習施設も立派です。学校関係者によれば今年、グラウンドの照明がLED化された。鍛治舎前監督の知人が寄付してくれたそうです」
21日の準決勝は、日大三(西東京)との対戦が決定。今大会の優勝筆頭候補を撃破したチーム力と勢いで、1936年以来89年ぶりの夏戴冠まであと2つに迫った。
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日刊ゲンダイは今大会期間中、横浜の村田監督を直撃。3年前のパワハラ騒動などについても赤裸々に語ってもらった。いったい村田監督はどんなことを話していたのか。
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