「1億円プレーヤー」になって買ったご褒美…巨人・松井秀喜に競り勝ち本塁打王、バラ色のオフだった
                        
 名古屋の車屋さんに見に行くと、白のカウンタックを発見。試乗させてもらうことにした。ところが、なかなか車内に入れない。なんとか運転席に体を押し込んだものの、フロントガラスと顔がくっつきそうなほどの狭さ。身動きが取れず、とてもじゃないけど運転できるような状況ではなかった。
 カウンタックへの夢は果たせず、代わりに赤のフェラーリを購入。当時1500万円ほどだっただろうか。今の価格を考えると安かったなあ。
 オフはテレビや取材、お正月のサイン会にも引っ張りだこ。あっという間のオフで、すごく短く感じた。巨人の松井秀喜(1本差の38本)に勝っての本塁打王。顔と名前が全国に知れ渡ったのだから、当然かもしれない。
 それまでは名古屋のローカル局に呼ばれることはあっても、東京のテレビ局とは無縁だった。それがフジテレビやTBSから声がかかり、いざ局内に行くと、そのスケールの大きさに「すげえなあ……」と感動した。
 中でも、会えてうれしかったのは「キクちゃん」だった。フジテレビの西山喜久恵アナ。当時、「プロ野球ニュース」のキャスターを務めていた。何度か出演させてもらったが、キクちゃんは番組終わりにスタッフさんと局の近くの焼き肉屋で食事に行くたびに、顔を出してくれた。それも当時はささやかな楽しみのひとつだった。
 たった1年でこんなに周囲の扱いが変わるのか、というくらい。その環境の大きな変化は翌年、さらにハッキリすることになる。                    

 
                             
                                     
                                        

















 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
         
         
         
         
         
         
         
         
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                