寝ているボクの腹に「ドスン!」 鉄人・衣笠祥雄さんの“踵落とし”に襲われた
後に2215試合連続出場の世界記録を樹立する鉄人は、豪快さと繊細さの両面を持つ人です。プロ3年目の宮崎・日南キャンプで、ボクは「人間・衣笠」を目の当たりにします。
当時の宿舎は旅館。一軍選手には若い“部屋子”がつきます。沖縄で8日間のキャンプを終えた主力は日南に合流。衣笠さんの部屋付きはボクです。その初日、食事から戻ると10畳以上もある広い部屋に、長方形に並べられた4枚の布団と2メートルぐらい離れたところに1枚の布団が敷かれています。4枚敷きはもちろん衣笠さんの寝床です。
当時、広島キャンプの練習量は12球団一。疲労困憊で深夜に目が覚めることなどないのに、その晩、ある衝撃で突然跳び起きます。
「ドスン!」
「な、なんだ」
4枚布団で大の字に寝ていたはずの衣笠さんの右足が、なぜかボクの腹の上に。鉄人の“踵落とし”です。それだけじゃありません。朝起きると、ボクの布団の中で衣笠さんが寝息を立てていたこともあります。
「とんでもない人と一緒になったもんだな……」


















