工藤公康さんの“導き”と中田英寿さんの“粋すぎるおもてなし”が私の運命を大きく動かした

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「引退を考えていた僕に、ソフトバンク前監督の工藤公康さん(当時・巨人)が言ってくれたんです。『若くて体が動くのに、野球を諦められるの? オレなら絶対、しがみついてでも続ける』と。プロ2年目のオフに工藤さんの自主トレに加えてもらってから、野球選手としてはもちろん、人生の師として尊敬していました。この言葉で心に火が付いた。その頃、スポーツ紙にイタリアリーグの記事が載っていたのを見て、即座にブローカーと連絡を取りました」

 こうしてセリエA・T&Aサンマリノへの入団にこぎつけると、その1週間後にはマウンドに立った。イタリアでは1つのミスで即座にクビになるのがザラ。常に殺伐とした雰囲気が漂っていた。厳しい環境ながら、給料は月10万円ほど。住居はチームメートとの相部屋だった。

 生活にも慣れてきた頃、大学卒業直後に結婚した妻と生後間もない息子をイタリアに呼び寄せることを決めると、大富豪の跡取り息子だというチームメートがサンマリノ中心街のマンションを無料で貸してくれた。

「英語を話せる妻には通訳代わりにもなってもらいました。そのおかげで同僚とは一層仲良くなり、旅行もした。ガイド本に載っていないような裏路地を探索したりと、地元民視点の旅は忘れられません」

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