阿部慎之助氏の公式プロフが「趣味・寝ること。特技・ボーッとすること」だった頃、実況ではよく困らされた

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 去年の6試合連続本塁打を皮切りに、月間本塁打日本記録に並び、スタルヒン以来のシーズン4度のサヨナラ安打球団タイ記録をつくり、ついにはリーグ通算500本目のサヨナラ本塁打を達成した。本塁打を世界最速ペースで量産した時には、米国の取材スタッフがよく聞いてきた。

「シンノスケという名前は日本ではポピュラーなのか?」、さらには「ブドーの達人か、カブキ役者の家系か?」という質問も飛んできた。

 今でこそスタンドから「慎ちゃ~ん。こっち~」と若い女性の声が掛かると、ニッコリ笑ってポーズを決める阿部だが、入団当時の実況シーンでは何度も当惑させられた。

「さあ逆転のチャンスの巨人。おや? ネクストバッターズサークルには誰もいません。するとここは代打ですね。長嶋監督が動きました!」

「いや、阿部が入るの忘れとっただけですよ」

 解説の広岡さんは冷ややかだった。実はこの時、阿部は投手の配球のことで頭がいっぱいで、自分の打順を完全に失念していたらしい。ベンチの中で、うつろなまなざしの慎之助がバットも握らず何かつぶやいている。後で聞いたら「あのころは毎晩テンパってましたから。つぶやき? 桑田さんの気持ちと同じですね」と頭をかいた。この男は、いずれ打撃タイトルを総ナメにして松井秀喜を超えるスラッガーになるだろう。世界記録も夢ではない。だがその時までに、以下の「阿部慎之助の公式プロフィル」を変えて欲しい。

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