正岡子規の青春を描いた最新作が話題 伊集院静氏に聞く

公開日: 更新日:

 やがて、子規は病の床に就き、何年も寝たきりの生活を送る。しかし、それでもなお、彼の周囲には人々が集まり、そして子規自身も最期まで創作活動に命の炎を燃やし続けた。

「明治というあらゆる物事の創成期に、我欲を持たず、高い志を糧に精いっぱい生きた子規と、漱石をはじめとする多くの文学者の卵たちの姿からは、私自身も学ぶことが多い。たとえ35歳でこの世を去ることになっても、素晴らしい人生だったと言い切るためには何が必要かを教えてもらえる気がします。それは、現代人が思う素晴らしい人生とは違うかも知れません。しかし、日本人が忘れかけている誇りや情熱のようなものを、彼らは確かに持っていた。そんな時代の空気感を、感じ取ってもらえればうれしいですね」

◇いじゅういん・しずか 1950年、山口県生まれ。立教大学文学部卒業。CMディレクターなどを経て、1981年「皐月」で小説家としてデビュー。92年「受け月」で直木賞、02年「ごろごろ」で吉川英治文学賞を受賞。近著に「お父やんとオジさん」「いねむり先生」「なぎさホテル」など多数。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?