「デキる大人の振る舞い大全」なるほど倶楽部編
■知っているようで知らない「作法」の事典
葬儀やお別れの会の通知に「ご厚志お断りします」とあった場合、もっとも適切な態度はどれだろう。(1)供物や供花は贈らず香典だけを持参、(2)供物あるいは供花だけを贈り香典も持参、(3)供物も供花も贈らず香典も持参しない。
正解は、(3)。気が引けるかも知れないが、ご厚志辞退は故人の遺志である場合が多く、先方の希望を尊重するのが正しいという。なるほど倶楽部編「デキる大人の振る舞い大全」(KADOKAWA 1000円)には、正しい敬語や日常での振る舞い、冠婚葬祭の常識など、日本人なら知っておくべき作法についてまとめられている。
ビジネスシーンでは、丁寧なようで微妙に失礼な言葉が使われていることが多い。例えば、「厚くお詫び申し上げます」。“厚く”とは、お礼など良いことに対して使う言葉であるため、お詫びや反省などマイナスの言葉には使えない。正しいのは、“深く”か“心から”を付けることだ。上司に向かって「私もそちら方面に参りますのでご一緒しましょう」。一見、問題ないようだが、“ご一緒しましょう”は同格の人に対して使う言葉で、上司に言う場合は「お供させてください」が正しい。