「オオカミたちの隠された生活」ジム&ジェイミー・ダッチャー著、岩井木綿子訳

公開日: 更新日:

■野生のオオカミと暮らし、その生態を観察

 さまざまな野生動物の記録映画を制作してきた著者夫妻は、撮影が難しいオオカミの生態を詳細に観察するため、6年間、アイダホ州のソートゥース山脈のふもとの原生地域でオオカミの群れとともに暮らした。本書は、間近で見た彼らの素顔を迫力ある写真とともに紹介しながら、オオカミと人類との関係を考察したネーチャーフォトブックだ。

 駆除の結果、一時は絶滅状態に追い込まれたアメリカのハイイロオオカミは、1974年に絶滅危惧種に指定され保護が始まり、1990年代には野生に放つ再導入プロジェクトが動き始める。そのプロジェクトに先んじて、夫妻はオオカミのために最適の地を選び出して柵で囲い(広さ10ヘクタール)、保護センターから譲り受けた大人2頭、子供4頭を放った。キャンプ生活を送りながら、子オオカミには自ら哺乳瓶で乳を飲ませ離乳食を与えて自分たちの存在に慣れさせたという。

 さらに数年ごとに子オオカミを追加し、やがてリーダー格の雄と雌の間に初めての赤ん坊が生まれ、11頭の群れになるまでの過程を追う。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希は「ひとりぼっち」で崖っぷち…ロバーツ監督が“気になる発言”も

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    サントリーHD会長を辞任!新浪剛史氏の意外な私生活、趣味は「極妻」鑑賞と…違法薬物めぐり家宅捜索

  5. 5

    所属俳優の清水尋也「薬物逮捕」で社長・松田美由紀を待ち受ける“謝罪行脚”…8月には救急搬送、受難は続く

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    佐々木朗希、「9月限りで今季終了」に現実味…WS連覇へ一丸のドジャースでひとり蚊帳の外

  3. 8

    森保監督が38歳の長友佑都を日本代表に招集し続けるワケ…7月の中国戦はラスト通告だった

  4. 9

    サントリーHD新浪会長宅ガサ入れはすでに噂されていた? 報道より1週間先行していたX投稿に注目集まる

  5. 10

    小祝さくらは「加齢の影響」漏らしていた…ツアー6週連続欠場の深刻度