「なぜ、スポーツ選手は不正に手を染めるのか」マイク・ローボトム著、岩井木綿子訳

公開日: 更新日:

 先ごろ閉幕したブラジルW杯の開催期間中、カメルーン代表のニコラ・ヌクル選手の父親が焼死体となって発見された。カメルーンチームには八百長疑惑が浮上しており、事件との関連も囁かれている。

 スポーツ界には、古くから多くの不正がつきまとってきた。マイク・ローボトム著、岩井木綿子訳「なぜ、スポーツ選手は不正に手を染めるのか」(エクスナレッジ1800円)では、数々の事例をもとに不正が生み出される現状をルポしている。

 今、“無害な不正”として問題となっているのが「スポット賭博」だ。テニスでのダブルフォールトの数や、サッカーでのフリーキックの数を予想する賭けで、イギリスの一般市民にとっては合法の賭博だ。しかし、これに選手が関わることが増えていると本書。サッカーのイングランド代表だったル・ティシエは、自伝の中でスポット賭博に関わったことを告白している。最初のスローインが行われる時間帯を当てる賭けで、ル・ティシエとチームメートは高額配当が期待できる「1分未満」を買い、できるだけ早い時間にボールをピッチの外に出そうと躍起になったという。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ