「なぜ皮膚はかゆくなるのか」菊池新著

公開日: 更新日:

“痛み”とは違い“かゆみ”という症状は軽視されがちだ。しかし、最近になってようやく研究が進み、かゆみの仕組みが解き明かされてきた。本書では、かゆみというやっかいな感覚にまつわるさまざまなメカニズムを紹介している。

 モルヒネを使うと体がかゆくなることがあるが、これは副作用ではないという。痛みとかゆみが同時に発生しているとき、大脳に至る神経の中継地点では、緊急対応が必要な痛みだけを伝え、かゆみの信号を抑制する。ところが、モルヒネによって痛みの神経が鈍くなると、かゆみだけが大脳に伝わり、結果として体のあちこちがかゆくなったように感じるのだという。過去の記憶とかゆみ、ストレスとかゆみなどの不思議な関係も明らかにしていく。

(PHP研究所 760円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?