「鉄道黄金時代1970's」二村高史著

公開日: 更新日:

 国鉄ばかりでなく、もちろん私鉄ローカル線も網羅。化学肥料メーカーが工場から製品を運ぶ目的で建設した、山陽本線土山駅と港を結ぶ別府鉄道土山線では、ノスタルジーあふれる古典車両を独占し、有名落語家によく似た車掌さんと至福の時間を過ごした。

 さらに消えゆく都電をはじめ、高校の修学旅行の自由時間を利用して撮影した京都市電など、各地の路面電車、そして4回も撮影に行きながら列車には一回も乗らずに後悔しているという、営林署管轄の森林鉄道として国内最後だった木曽の「王滝森林鉄道」や、夕張の楓炭鉱で使われていたトロッコまで。

 今はもう決して出合うことも、撮ることもできない日本の良き時代の鉄道風景がぎっしりと詰まり、見応え読み応え十分だ。

(日経BP社 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?