「写真で楽しむ究極のまちがい探し」マシュー・ローウィング編、ダニー・ボールドウィン制作、斎藤静代訳

公開日: 更新日:

 ところが、これしきでひるんでいたら、とんでもない。ページが進むと、広大な会場を観客が埋め尽くす野外の音楽フェスティバルの風景や、精緻な装飾が施された大聖堂の内部、混沌の代名詞のようなトルコ・イスタンブールのグランバザール、鳥瞰図のように高みから見下ろした満員のスタジアムで行われているアメリカンフットボールの試合風景、そして極めつきは星々がきらめく広大な宇宙空間まで、38問が読者を挑発する。

 最後の2問は100カ所の間違いが隠されており、全部で2000カ所もの間違いを探さなくてはならないという、気が遠くなるようなクイズ本なのだ。

 途中で頭がこんがらがりそうだが、間違い探しと答え合わせは、全体を1050のマス目に分ける縦横の座標軸を用いる。お助けグッズとして写真の上に載せて使うための座標に沿ってグリッド線が入った透明シートも添付されているので、必要なのは根気だけ。

 最初は尻込みしてしまうが、新聞や雑誌の片隅で見かけた間違い探しについつい夢中になってしまうように、ひとつ間違いを見つけたら、もう止まらなくなってしまうことだろう。何もかも忘れて没頭すれば、終わった時にきっと頭がすっきりしているに違いない。(河出書房新社 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも