「あきんど百譚 さくら」佐々木裕一著

公開日: 更新日:

 能登屋の主・作兵衛は、8代続く塗師で、その職人技は天下一品と称賛され、将軍家献上の品を依頼されることも珍しくない。一方で、独身の作兵衛は、一晩で100両の大金を使うこともあるほど、夜遊びも激しい。ある日、能登屋を揺るがす大事件が起きる。小僧の昌介が廻船問屋の越前屋から請け負っていた嫁入り道具の高価な蒔絵の手箱を間違って旗本の田辺家に届けてしまったのだ。出戻りを嫌う越前屋から作り直しを迫られ取り掛かる作兵衛だが、職人たちが次々と辞めていってしまう。すべては同業者の伊豆屋が能登屋を潰すために仕組んだ罠だった。(「塗師」)

 本紙連載「朝顔売りと恋女房」(「いい女」に改題)他、4作を収録した時代人情短編集。(双葉社 648円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも