「連鶴」梶よう子著

公開日: 更新日:

 大政奉還から1カ月後の早朝、桑名藩の上屋敷に住む丈太郎を、2年前に横浜の商家に修業に出た弟の栄之助が訪ねてきた。栄之助によると坂本龍馬が京で暗殺され、現場には以前会ったときに丈太郎が贈った連鶴が落ちていたという。連鶴は、1枚の紙から何羽もの鶴を折りだす桑名の名物だ。同じ日、丈太郎は勘定頭の父から自分に帰国の命が下ったことを伝えられる。戻れば京の守護任務に駆り出されることだろう。栄之助は藩を捨て、妻子を連れて身を隠すよう丈太郎を説得する。丈太郎は取り合わないが、数日後、なぜか栄之助が武家姿で歩いていたという噂を耳にする。

 幕末の動乱を生きる兄弟を描いた時代長編。

(祥伝社 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然