「丸山眞男と田中角栄」佐高信、早野透著

公開日: 更新日:

「戦後レジームからの脱却」を標榜し憲法改正に乗り出さんばかりの安倍政権を危惧する2人が、戦後日本を代表する知識人・丸山眞男と、国民の生活向上に邁進した政治家・田中角栄の足跡を振り返った対談集。

 丸山と角栄は、住む世界が違い、接点がないように見える。だが、2人こそ「戦後民主主義の体現者」だという。戦争を引き起こした日本社会の特質について考察し、戦後という時代を解析しようと思索を深めた丸山と、焦土と化した日本の立て直しに奔走し、中国と国交を回復させた角栄は、いわば戦後という時代の上半身と下半身だったと。戦争体験を原点として、戦後民主主義を実践した2人の行動からデモクラシーの本質を学ぶ。

(集英社 740円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋