「『いじめ』をめぐる物語」荻原浩・小田雅久仁・越谷オサム・辻村深月・中島さなえ著

公開日: 更新日:

 学校や職場やネット環境の中など、社会全体に蔓延する「いじめ」。閉じられた世界の中で、被害者になるか、加害者になるか、目撃者という名の残酷な容認者になるかの三択になってしまい、現在進行形で苦しんでいる人も少なくない。本書は、そんな「いじめ」をテーマに5人の作家が書いた短編を収めた競作アンソロジーだ。

 収録されているのは、女性教師がクラス内のいじめ問題を解決しようと行動を起こす荻原浩の「サークルゲーム」、いじめを苦に自殺した友人を助けられなかった思いを抱える男を描いた小田雅久仁の「明滅」、いじめに苦しむ少年の前に現れた悪魔が見せる光景を描いた越谷オサムの「20センチ先には」、小学生時代に微妙な関係だった2人が大人になって再会する辻村深月の「早穂とゆかり」、歌劇団トップを目指す2人の女性の愛憎関係を描いた中島さなえの「メントール」の5編。いじめについて、さまざまな場面や立場から考える機会を与えてくれる。(朝日新聞出版 1400円+税)



【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  2. 2

    沈黙貫く橋本愛vs佐藤二朗「週刊新潮」で反論の泥沼化…SNS連投で"自滅"を心配する声も

  3. 3

    『ひよっこ』再放送記念、神回「ビートルズがやって来る」再録

  4. 4

    骨折で入院中ですが…ブラジルに惜敗した森保Jを巡る一部炎上報道で心が痛い

  5. 5

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  1. 6

    男子バスケ日本代表に激震、ホーバス監督“解任”の真相…過去には八村塁と確執も 

  2. 7

    孤立深まる高市首相…国会10日ぶり正常化でも続く“包囲網” 与党内からも反発の声噴出の自業自得

  3. 8

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  4. 9

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  5. 10

    村上誠一郎前総務相が高市政権バッサリ!「これが本当に保守政治なのか」…突きつけた自民「立党宣言」との乖離