時代小説でめぐる「東海道五十三次」編

公開日: 更新日:

「時代小説で旅する東海道五十三次」岡村直樹著

 日本津々浦々、紅葉まっさかりの今。旅行に出かける人も多いだろうが、今から約200年前の江戸時代後期に、庶民の間で旅行ブームがあった。その際、利用されたのが浮世絵にも描かれている「東海道五十三次」だ。旅人はいかなるいでたちで旅をし、宿場町でどう過ごしたのか。鞍馬天狗や清水次郎長を旅のお供に、紙上「東海道五十三次」タイムスリップ旅行に出かけよう。

 旅といえば憂いもの辛いもの、という中世以来の意識が劇的に変化し、江戸時代には庶民までがこぞって物見遊山に出かけた。とはいえ、能天気な町人たちだけが東海道を歩いたわけではない。参勤交代のための大名行列や公務のための武士、さらには食い詰めた浪人やあだ討ちの武士、旅芸人、商人と身分も旅に出る事情もさまざまだった。

 そんな旅人たちを主人公にした、あるいは宿場町を舞台にした時代小説を「東海道五十三次」に沿って紹介したのが、岡村直樹著「時代小説で旅する東海道五十三次」(講談社 各1500円)だ。上巻では江戸・日本橋から浜松までを、下巻では舞坂から京都・三条大橋までを収録。時代小説の紹介のみならず、著者自身が実際に各地を訪れ、写真と共に「宿場歩きガイド」やコラムもあり、読めばちょっとした旅気分だ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも