時代小説でめぐる「東海道五十三次」編

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■第24宿〈金谷〉「ああ三百七十里」杉本苑子著

 語り手は、将軍吉宗に献上するため長崎から江戸まで陸路を運ばれた実在の象。

 享保14(1729)年、「私」(カニシカ)は交趾国(ベトナム)から連れてこられたが、船が長崎に着いた夜、別の一頭が象使いに殺されてしまった。「私」は長崎市民の目の前で敵を踏み潰すという復讐を遂げるが、この一件から日本人は「私」を凶暴な動物と信じ込む。さらに京都で天皇に拝謁したときも、便意に耐えられず粗相をやらかし、「私」の評判は地に落ちる。

 しかし、増水した大井川の渡河のときのこと。強行突破を図った船が転覆、護送役と船頭が川に投げ出される。「私」は奮闘し、彼らを助けたのだ。(「江戸の漫遊力」収録 集英社 現在は絶版)


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