「雪煙」森村誠一著

公開日: 更新日:

 国際刑事警察機構捜査官の高木は、休暇を利用して訪ねたオーストリアの名峰グロスグロックナーの麓で日本人女性と知り合う。数カ月後、帰国した高木は再会したその女性・陽子と穂高に登る約束を交わす。元恋人が山で死んだということ以外、陽子は何も自分のことは語ろうとしない。そして、2人は上高地の宿で忘れられない一夜を過ごす。

 やがて、陽子は高木が捜査するバグラス(変造旅券)製造組織に関わる暴力団の組長・清瀬の愛人だと分かる。任意同行直前、姿を消した清瀬の遺体が、丹沢の山中で見つかる。高木は遺体と一緒に見つかった腕時計が数年前に事件に巻き込まれて殺された元恋人・香保のものだと気づく。

 巨匠による長編山岳ミステリー傑作セレクションの一冊。(光文社 580円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?