「『東京電力』研究排除の系譜」斎藤貴男著

公開日: 更新日:

 原発事故を起こした東京電力の企業体質を検証するノンフィクション。

 福島第1原発の事故処理で活躍したのはアメリカの軍事ロボットだった。実は、1999年に通産省が30億円を費やして原発防災支援ロボットシステムを完成させたが、「原子力発電技術機構」は実用化を見送ったという。その報告書には、事故の際には人間が放射能を浴びながら処理すればよいと主張しているとしか思えない文言が並ぶ。こうした内部資料を読み解きながら、東京電力や「原子力ムラ」の人々が原発の安全について、どう考えていたのか明らかにする。さらにそうした体質が長年保ち続けられてきた背景を、戦後のアメリカとの関係や代々の経営者らの言動を検証しながら、つまびらかにする。(KADOKAWA 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か