「江戸の経済事件簿地獄の沙汰も金次第」赤坂治績著

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 歌舞伎や文楽、落語などに描かれた江戸っ子たちの暮らしぶりを紹介しながら、当時の経済事情を解説した江戸本。

 当時の基本は、米本位制だが、次第に貨幣経済の色合いが増す。4代家綱以降、年貢率が下がる一方で生産性が向上し、百姓の経済力が急速に高まり消費が増加。商人・職人も潤い、歌舞伎などの庶民文化が花開く。年貢の他に、町人や商人に課せられた税金や、職人の中でも一番恵まれていたという建築職人たちの実際の収入、本当にいた千両役者、そして落語の「芝浜」などに見る庶民の金銭観や、「手形」や「為替金」が大切なキーワードになっている近松門左衛門の作品など。近代資本主義以前の江戸の経済をリアルに描き出す。(集英社 740円+税)


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