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北上次郎氏がオススメ 正月に読みたい「面白極上本」3冊

 2016年に注目すべき3人の作家を紹介したい。

 「ウィメンズマラソン/坂井希久子著」は、書名から分かるようにマラソン小説だ。ただし、構成が少し異色。

 物語は東京マラソン最大の難所、36キロ地点の佃大橋の上り坂をヒロイン岸峰子が走っている場面から幕が開く。この東京マラソンを2時間40分以内で走ったら復帰を認めてやる、との陸上部監督の言葉を思い出し、岸峰子は息も絶え絶えに走っている。そしてここに回想がどんどん挿入されていく。

 3年前、ロンドン・オリンピックの代表に選ばれるまでの岸峰子の苦闘の日々が、手際良くディテールまで回想される。妊娠が分かって代表を辞退するのが全体の3分の1。で、出産後に復帰を目指して今、東京マラソンを走っているわけである。ここからどういうドラマが始まるかは書かない。果たしてヒロインはリオの代表になるのかどうかも紹介しないでおく。感動のラストまで一気読みの面白さであると書くにとどめておきたい。

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