「結婚しない男たち」荒川和久氏

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 だから結婚できないと思われそうだが、本書のデータを読む限り、ソロ男は孤独でも不幸でも可哀想でもない。むしろ自己実現できて楽しそうだ。

「そうなんです。ソロ男は恋愛もするし、彼女もいる。団塊世代とは異なり、会社以外の友人も多くて趣味もある。要は物事にお金を使って承認欲求や達成欲求を満たすのがソロ男の幸せなのです。ところが世間ではいまだに偏見が強い。ニート、オタク、マザコン、ひきこもりと同一視されがちです。そこはしのびないので、払拭したいですね」

 もはやソロ男はマイノリティーではない。巨大市場の担い手でもあるのだ。

「2035年には生涯未婚率3割、単身世帯率4割になるといわれています。人口の半分が独身者になるなら、社会も市場もそこに適応していかないと。ソロ男研究を突き詰めると『社会学』になると思うんですよね」

 ただし、ソロ男ブームを喚起するつもりはない。

「『ソロ男さんいらっしゃい!』なんて大々的に看板出して盛り上げても、ソロ男は絶対乗っかりませんから(笑い)。彼らが幸福感を得られる仕組みが必要だと思います」(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1100円+税)

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