「日本人はどこから来たのか?」海部陽介氏

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「アフリカを出たホモサピエンスは東を目指し、4万8000年前にヒマラヤ山脈ふもとにたどり着き、南北2ルートに分かれて進んだ。そして1万年後に東アジアに到着し、日本に渡ってきたことが見えてきました。暑いアフリカから移動してきた彼らが寒いヒマラヤの北ルートを進んだというのも驚きで、どこにでも行けてしまう創造性、チャレンジ精神こそが、ホモサピエンスの特徴だと感じました」

 南北のそれぞれのルート上に見える、祖先たちの発明や発展的活動も興味深い。たとえば北ルート上には、骨で作った縫い針やペンダント、皮なめしといった道具が見つかっている。

 骨の素材特性を理解して作られた器もあった。ホモサピエンス前とは比べものにならないほど、バラエティーに富んでいる。

 そんな豊富な経験を持つホモサピエンスが時期をたがえて、3ルートから別々に日本を目指した。北ルートの集団は北海道へ、南ルートからは琉球諸島へ。

 そして対馬へ渡ったのが「南北の混成集団」というのが著者の新説だ。

「日本に渡るには大きな難関がありました。陸続きだった北海道ルート以外は、海を越えなければいけなかったんです。特に台湾から沖縄までは計300キロ近くあり、黒潮も横断している。どれほど困難だったのかを実感したくて、3万年前の航海の再現プロジェクトを立ち上げました。一般から資金を募るクラウドファンディングなので、ぜひご支援お願いします」

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