「核の戦後史」木村朗、高橋博子著

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 アメリカのABCC(原爆傷害調査委員会)は1947年、広島、長崎に入り、被爆者の治療は一切せずに原爆の効果だけを調査した。

 葬式代を出すなどして被爆者の遺体を集めてデータを収集し、1975年、ABCCは日米共同研究機関「放射線影響研究所」に再編される。これは〈平和目的〉だとされているが、真の目的は核テロ対策だった。

 放影研は「放射線・核の脅威への医学対策」につながる研究としているが、自分たちから得たデータを新たな核兵器の使用を前提とする研究に使われることに気づいた被爆者は、この研究計画の白紙撤回を求めている。

 原爆と原発の隠蔽された歴史に鋭く斬り込む一冊。(創元社 1500円+税)


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