「大きくなる日」佐川光晴氏

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■行動しながら悩むことが大事

「いつの頃からか小説には、いじめで死ぬとか、取り返しのつかないことになって後悔しながら生きていくという話が増えましたよね。でも、子育てをしている僕としては、その前にもう少しやることがあるだろう、と。人生にはいろんな起伏があり、危機も目の前にあるけれど、何とかしてしのぐことの大切さも、書きたかったことのひとつです」

 著者の言葉通り、登場人物たちは大人も子供もさまざまなトラブルに見舞われる。しかし、一人で膝を抱えて悩む人はいない。

「人はつらいことがあると『いいもの見つけた』と動かない口実にしてしまいがちです。しかし、一人閉じこもってしまうと、次の扉は開きません。大事なのは悩みの内容ではなく、何をしながら悩んでいるか。人間関係を感じる中にいれば助けが入ることもあるし、他人の苦しみも分かり、結果、悩みに足をすくわれずに済むんだと思います」

 中学生になった太二が主人公の「四本のラケット」では、テニス部の人間関係で、仲間外れの加担を強いられる“危機”が描かれる。そのとき太二が思い出したのは……。

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