当時の少年少女は高齢者に 伝説の「ウルトラQ」が50周年

公開日: 更新日:

「光線を描き続けてきた男 飯塚定雄」飯塚定雄、松本肇著

 多頭のキングギドラが3つの口から吐き出す破壊光線の不気味さ。円谷プロのつくる映画では「光線までもが演技している」と評されたのはマニアの間では有名な話だが、大半は手描きで1作ごとにオプチカル合成されていた。この光線の多くを描いたのが著者だ。

 第1作「ゴジラ」の製作中に高校生バイトとして現場に入り、そのまま現場に居ついて「円谷プロに飯塚あり」とまで仰がれるようになった伝説の人だ。江戸っ子で画学生くずれの伝法な語り口がつづる特撮一代記。

「ウルトラQ」のときは東宝社員ゆえ本当は無関係のはずだが、円谷御大からのお声掛かりで部分的に参加。やがて「Q」から「ウルトラマン」になったときのスペシウム光線はむろんこの人が描いたものだったのだ。(洋泉社 2700円+税)

【連載】NEWSを読み解く今週のキーワード

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー