フクシマから6年 政権が亡きものに葬ろうとする“あの記憶”

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「フクシマの荒廃」アルノー・ヴォレラン著、神尾賢二訳

 3・11当時、原発事故の実情については日本の大マスコミよりも海外メディアのほうがはるかに頼りになったことはよく知られている。その現実はいまも同じ。本書は仏「リベラシオン」特派員が見たフクシマリポート。単なる旅行者としての報告ではなく、12年から日本に在住し、その生活実態を体験しつつの報告だ。

 そこで著者は原発の作業員や組合活動家らにもていねいに取材し、崩壊した原子炉の前に責任者が仁王立ちになりながら白い作業服を着た下請けの面々に過酷な作業を強いる姿に肉薄している。話題になった漫画「いちえふ」と同じ現実を、来日4年の外国人記者も見ているのだ。(緑風出版 2200円+税)

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