「阪神タイガースの正体」井上章一著

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 1990年代の低迷期、阪神タイガースのファンは万年最下位のその不甲斐なささえ、いとおしんでいた。本書は、その一人である著者がプロ野球の歴史をひもときながら、熱狂的タイガースファンが生まれた背景を探るスポーツエッセー。

 62年、阪神は広島を迎え、セ・リーグ優勝が決まる試合を行った。しかし、15年ぶりの優勝がかかった試合にもかかわらず、甲子園の入場者数はわずか2万人だったという。2週間前の巨人3連戦はいずれも4万5000から5万人を動員しており、当時の阪神は巨人戦でしか集客できない球団だったのだ。それが熱狂的なファンに愛され、支えられるようになったのはなぜか。阪神とファン、そして彼らを育てた関西メディアの関係を読み解く。(朝日新聞出版 760円+税)

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