「勉強の哲学」千葉雅也著
学生はもちろん、社会人になっても「勉強しろ」と言われることは多いが、そもそも勉強とは何なのか。
哲学者である著者は、「勉強とは、これまでの自分を失い、変身することである」という。ところが、人は変身を恐れる側面があり、そのために勉強をも恐れると指摘する。
例えば、勉強を深めると立ち止まって考えるようになるので、これまでのように一緒にやっていたバカができなくなる。つまり、ノリが悪くなるのだ。しかし、自分が属する環境の同調圧力に気づけるからこそ、多くの可能性を得られるのだ。
自分を支配する友人や社会という周囲に乗っ取られることなく、独学で勉強するための方法論を追求した本格的勉強論。(文藝春秋 1400円+税)