「短編少年」集英社文庫編集部編、朝井リョウほか著

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 会社員の加賀は、ある日、テレビでプロ野球中継を見ながら、小学校6年のときの一連の出来事を思い出す。

 テストの時間、転校生の安斎から渡されたカンニングペーパーを隣席の草壁に渡すのが加賀の役割だった。打ち合わせ通り、佐久間が担任の久留米に質問をしたため、紙切れは無事、草壁に渡った。事の発端は、かつて久留米がピンクのセーターを着てきた草壁を「女みたい」と評したと安斎が耳にしたからだ。安斎は、日頃から草壁を見下したように扱う久留米の認識を改めさせようと、加賀や佐久間を巻き込み、カンニングの他にも次々と作戦を敢行する。(伊坂幸太郎著「逆ソクラテス」)

 人気作家9人が少年をテーマに競演するぜいたくなアンソロジー。(集英社 620円+税)

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