「織田家臣団の謎」菊地浩之著

公開日: 更新日:

 どんな出自の者でも、才覚があれば出世が可能な実力主義というイメージが強い信長の率いる織田家臣団。しかし史料をあたると、出自不問とは言い切れないさまざまな処遇があった。著者は、信長がいかにして最強の家臣団を形成したのか、信長の父(信秀)の時代にまでさかのぼって、その過程を丹念に追いかけた。そこから見えてきた人材登用の戦略を、本書は解説している。

 信長の家臣団の特徴のひとつに、今でいう中途入社組の家臣の多さがあった。しかしこれは実力主義というより、父親の代から仕えた家臣が少なかったために起きたことではないかと著者は説く。

 それは、新卒採用ができなかった創業まもない企業で、中途入社組が創業メンバーのようになってしまうのと似ているというのだ。

 父の代から上洛前、そして上洛後に有力武将をどのように構成していったかを追っていくと、信長の取った戦略が明智光秀の謀反の原因になったという、著者の論が興味深く見えてくる。

(KADOKAWA 1700円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    眞子さまは小室家に嫁いで大丈夫?「育ち」を見極める言動

  2. 2

    菅田将暉がミスキャスト?「コントが始まる」低迷の元凶

  3. 3

    眞子さま最終手段「一時金」辞退…それでも小室さんは愛を貫ける

  4. 4

    紗栄子は魔性の女…17歳アーティストYOSHIを骨抜きにした

  5. 5

    石橋貴明“オワコン老害”が一転 YouTube勝ち組に豹変の戦略

  6. 6

    小室ママ雲隠れ…眞子さま"代理解決"を急ぐ秋篠宮家の事情

  7. 7

    スギ薬局会長にワクチン優先予約 市が“特別扱い”した理由

  8. 8

    ワクチン大規模接種センター 旅行代理店に業務委託のナゼ

  9. 9

    眞子さまを早く結婚させてしまいたい官邸と宮内庁の本音

  10. 10

    高橋洋一氏“さざ波”で炎上 エリートほど不用意発言のワケ

もっと見る

人気キーワード