「悪徳の輪舞曲」中山七里著

公開日: 更新日:

 御子柴礼司は、14歳のときに近所の幼女を殺害し、遺体の各部位を郵便ポストやさい銭箱に配って回ったことから〈死体配達人〉と呼ばれ世間を驚愕させた。医療少年院を出所後、弁護士資格を取得。やり方と報酬額は悪辣だが、百戦百勝の凄腕という弁護士・御子柴礼司シリーズの第4弾。

 御子柴のもとを訪れたのは、あの事件以来30年ぶりに再会する妹の梓。母の郁美が再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕された。郁美が〈死体配達人〉の母だと分かるとどの弁護士からも断られ、仕方なく御子柴を頼ってきたのだ。依頼人が誰であろうと情にとらわれることなく冷徹に処理をするのが信条の御子柴だが、今回はいや応なく自らの過去がまとわりつく。おまけに御子柴の逮捕後に自殺を図った父の事件と今回の事件とが関連があるらしいことを知る……。

 過去ときっぱり縁を切ったはずの御子柴だが、実の母を前に冷酷非情さを貫き通すことができるのか? シリーズの転回点となるだろう問題作。

 (講談社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    目黒蓮不在のSnow Man、ラウールが"次期エース"へ台頭か「めめラウ」が与え合う影響

  2. 2

    元関取の豊山亮太さん 4年前に土俵去るも、老人ホームの介護士をしながら国家試験目指し猛勉強中

  3. 3

    松尾雄治さん(1)ゴルフ場で意識を失う…「気が付いたら病院のベッドでした」

  4. 4

    東大出身の小林政調会長は日本史を学ぶべき「2600年以上続く男系継承」は歴史なのか神話なのか…皇室典範改正で浮かんだ疑問

  5. 5

    松本人志"めちゃめちゃ癌"の心配される健康管理と伸び悩む「DOWNTOWN+」の今後

  1. 6

    国民も気づき始めた皇室典範改正のおかしさ 「愛子天皇」潰しに抗議する市民デモが国会を取り囲む?

  2. 7

    酒浸り、自殺説も出た…サッカー奥大介さんの“第2の人生”

  3. 8

    永尾柚乃は夏休みも「ヒルナンデス!」レギュラー出演でフル稼働 今や事務所の大看板に

  4. 9

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?