「師匠、御乱心!」三遊亭円丈著

公開日: 更新日:

 人気落語家が、昭和53年に起きた落語協会分裂騒動の内幕をつづった業界ドキュメンタリー

 その年、著者は真打ちに昇進。50日間に及んだ襲名披露が終わった2日後に、師匠の三遊亭円生が弟子全員を招集する。師匠は、一門の弟子を前に、協会の会長・柳家小さんの真打ち量産方針に異議を唱え、協会を脱退することに決めたと宣言。

 さらに師匠はよりによって、弟子たちには一番弟子の円楽の弟子となり協会に残れという。一門の弟子たちの多くは円楽を毛嫌いしていたため、著者らは、仲間の中に円楽と通じている人物がいるとも知らずに、必死に思いとどまるよう説得するが、師匠の決意は固い。

 見たまま感じたままを赤裸々に明かし、単行本発刊時には関係者を激怒させたという問題作。

(小学館 630円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性